岡本先生と共に味わう讃美の力(23)「さかえにみちたる」 Glorious Things of Thee are Spoken~シンシナティ日本語教会主催

岡本先生と共に味わう讃美の力(23)「さかえにみちたる」 Glorious Things of Thee are Spoken~シンシナティ日本語教会主催

主の礎は聖なる山にある。【主】はシオンの門を愛される。ヤコブのどの住まいよりも。神の都よあなたについて誉れあることが語られている。
日本聖書協会『口語訳聖書』詩編 87編1-3節



■_序章_■
今回取り上げる讃美歌「さかえにみちたる」(Glorious Things of Thee are Spoken)の歌詞は、あの「アメイジング・グレイス」の作者ジョン・ニュートン(John Newton、1725- 1807)(*1)により1779年作詞されました。
そして1802年、この讃美歌が英国の讃美歌集に収録・出版された際に、「交響楽の父」といわれるハイドンが1797年に作曲した旋律と組み合わされ、その後広く愛唱されるようになりました。
その旋律が作曲された経緯と、旧オーストリア、旧ドイツ、そして現ドイツの“国歌”となる経緯は後述しますが、奇しくも同じ旋律が同時代に、「神(の国)」を頌える讃美歌と、「主に(地上の)国を支配する君主」を賛美する(*2)国歌に用いられたのです。このことは図らずもこの讃美歌は、「人はみな草のよう。その栄えはみな草の花のようだ。草はしおれ、花は散る。しかし、主のことばは永遠に立つ。」 (Ⅰペテロ1:24-25)との聖句(*3)の真実さが近代の歴史によって証明されることになりました。

*1 参照 : 2021年10月 岡本先生と共に味わう讃美の力(2)「驚くばかりの恵み(Amazing Grace)」
   https://www.jesusgivesyourest.com/message/detail.php?id=276
*2 ドイツ連邦共和国国歌(ドイツ連邦共和国大使館・総領事館)
   https://japan.diplo.de/ja-ja/themen/willkommen/hymne/981158
*3 ここで引用する聖句はすべて新改訳2017を使用しています。


■_第一章 讃美歌1節 ~栄光ある神の都_■
讃美歌(原曲)はこう歌い出します。

Glorious things of thee are spoken, Zion, city of our God!
神の都よあなたについて誉れあることが語られている。(詩篇87:3)

Zion(シオン)は幾つかの意味を有しますが、この讃美歌では、今の終末の時代に与えられる天的恵みの源であり、終わりの日に完成する神の都、天の御国のことです。

この神の都、神の国について「誉れあることが語られている」とありますが、それを語っているのはいったい誰でしょうか.....他でもない、主なる神ご自身です!
この讃美歌は、「神が語ってくださる誉れあること」、人知では判らぬ事を神が現し示して下さった(啓示)数々の聖句の要約を綴っています。ここにこの讃美歌の魅力と力の拠って来たるところがあります。

では、歌詞とともに聖句を紹介してまいります。

 _†_ (詩篇 87:1-3)
87:1 主の礎は聖なる山にある。
87:2 【主】はシオンの門を愛される。ヤコブのどの住まいよりも。
87:3 神の都よあなたについて誉れあることが語られている。
 _†_†_†_

1節の〈山〉は、天地万物の創造者により建てられ永遠不動で偉大な王国や権威を象徴して使われています。そして、この讃美歌自体が、この聖なる〈山〉を礎にしています。

 _†_ (イザヤ33:20-21a)
33:20 私たちの祝祭の都、シオンを見よ。あなたの目は、安らかな住まい、移ることのない天幕、エルサレムを見る。その杭はとこしえに抜かれず、その綱は一本も切られない。
33:21 しかも、そこには威厳ある【主】が私たちとともにいてくださる。…

 _†_ (詩篇2:1-4)
2:1 なぜ国々は騒ぎ立ちもろもろの国民は空しいことを企むのか。
2:2 なぜ地の王たちは立ち構え君主たちは相ともに集まるのか。【主】と主に油注がれた者に対して。
2:3 「さあ彼らのかせを打ち砕き彼らの綱を解き捨てよう。」
2:4 天の御座に着いておられる方は笑い主はその者どもを嘲られる。

 _†_ (詩篇125:1-2)
125:1 【主】に信頼する人々はシオンの山のようだ。揺るぐことなくとこしえにながらえる。
125:2 エルサレムを山々が取り囲んでいるように【主】は御民を今よりとこしえまでも囲まれる。
 _†_†_†_

そして聖書は、日々信仰に生きる私たちキリスト者をこう励ましてくれています。

 _†_ (ヘブル12:22)
12:22 …あなたがたが近づいているのは、シオンの山、生ける神の都である天上のエルサレム、無数の御使いたちの喜びの集い、

 _†_ (詩篇84:5-7)
84:5 なんと幸いなことでしょう。その力があなたにあり心の中にシオンへの大路のある人は。
84:6 彼らは涙の谷を過ぎるときもそこを泉の湧く所とします。初めの雨もそこを大いなる祝福でおおいます。
84:7 彼らは力から力へと進みシオンで神の御前に現れます。

 _†_ (詩篇65:4)
65:4 幸いなことよあなたが選び近寄せられた人あなたの大庭に住む人は。私たちはあなたの家の良いものあなたの宮の聖なるもので満ち足ります。
 _†_†_†_


■_第二章 讃美歌2節 ~いのち潤う神の都_■
See, the streams of living waters,
Springing from eternal love,

二節は、歌い出しで 「だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい」(ヨハネ7:37) と私たちを招く主イエスを指し示し、いのちの水漲る神の都シオンを聖句から綴って歌います。

 _†_ (ヨハネ4:14)
4:14 …わたしが与える水を飲む人は、いつまでも決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人の内で泉となり、永遠のいのちへの水が湧き出ます。」

 _†_ (申命記8:6-8)
8:6 あなたの神、【主】の命令を守って主の道に歩み、主を恐れなさい。
8:7 あなたの神、【主】があなたを良い地に導き入れようとしておられるからである。そこは、谷間と山に湧き出る水の流れや、泉と深い淵のある地、
8:8 小麦、大麦、ぶどう、いちじく、ざくろのある地、オリーブ油と蜜のある地である。

 _†_ (黙示録7:17)
7:17 御座の中央におられる子羊が彼らを牧し、いのちの水の泉に導かれる。また、神は彼らの目から涙をことごとくぬぐい取ってくださる。」
 _†_†_†_


■_第三章 ハイドン作曲の旋律の誕生と、国歌としての変遷_■
この章では、讃美歌にも用いられた旋律が誕生した経緯と、その旋律が用いられた国歌が辿った歴史について手短にお話しします。

■_3.1 旋律誕生の経緯
ハイドン(Franz Josef Haydn、1732-1809)活躍当時のヨーロッパでは、1789年フランス革命が勃発し、『ラ・マルセイエーズ』が高らかに歌われていました。またハイドンが1791年から1795年にかけて二度訪問したイギリスでは、『God Save the Queen ゴッド・セイヴ・ザ・クィーン』が事実上の国歌として定着しており、ハイドンは祖国オーストリアにも愛国心を高める賛歌の必要性を痛感していました。

1796年ナポレオン戦争が勃発した時、オーストリア軍は破れ国民は途方に暮れました。そこで愛国心を奮い立たすべくハシュカ(*4)が「神よ、皇帝フランツを守り給え」を作詞、ハイドンが四部合唱曲を作曲(*5)し、翌1797年神聖ローマ皇帝フランツ二世の誕生日に献呈・初演されました。

 ♫~ 皇帝賛歌「神よ、皇帝フランツを守り給え」 第一節より(*6) ~♫
  神よ救いたまえ 皇帝フランツを
  われらが良きフランツ皇帝を
  とわに生きよフランツ、皇帝閣下
  明るい光輝の幸福の中で!
  彼のために月桂樹の花が咲き
  どこへ行こうとも、花の冠となれ!

*4 ハシュカ (Lorenz Leopold Haschka,1749-1827) オーストリア
  https://en.wikipedia.org/wiki/Lorenz_Leopold_Haschka
*5 弦楽四重奏曲第77番「皇帝」の第2楽章としても知られています。
  (youtube上の演奏例) https://youtu.be/0Ac8hmnv5DM


■_3.2 旧オーストリア国歌として辿った道
ハシュカ作詞ハイドン作曲の皇帝賛歌は1804年に成立したオーストリア帝国の正式な国歌となり、オーストリア=ハンガリー帝国(1867-1918)国歌(*7)にも引き継がれました。
しかし歌詞は、皇帝フランツ二世の代だけでも2度変えられ、その後も皇帝が替わる都度歌詞は変えられ歌い継がれました。
今も世界遺産であり、世界中から大勢の観光客を集める絢爛豪華なホーフブルク王宮やシェーンブルン宮殿等で約120年間国歌として奏せられましたが、第一次世界大戦敗北によりオーストリア=ハンガリー帝国は解体され、中世から栄華と権勢を極めたハプスブルク帝国は崩壊しました。
こうしてハシュカ作詞ハイドン作曲の国歌は過去のものとなり、現在のオーストリア国歌は、1946年に採用された 『山岳の国、大河の国』です。

*6 ハシュカ作詞ハイドン作曲の皇帝賛歌(歌詞)
  http://www7b.biglobe.ne.jp/~lyricssongs/TEXT/S2430.htm
*7 オーストリア=ハンガリー帝国国歌(動画)
  ※一節のみ、ドイツ語、日本語の字幕付き
  https://www.youtube.com/watch?v=kVv-ZlO149o


■_3.3 ドイツ国歌として辿った道
現在のドイツ“国歌”の旋律は前述のハイドンのものですが、歌詞はファラースレーベン(1798-1874)が作詞した「ドイツ人の歌」(全三節)(*8)の第三節です。
「ドイツ人の歌」の第一節には、当時は夢物語であったドイツ統一を願う急進的愛国主義者の思想が色濃く滲み出ていますが、1841年にハイドン作曲の旋律を付けて出版され、1922年にはドイツ初の社会民主党政権により“国歌”とされました。
そして1933年ヒトラー政権掌握直後、ナチ指導部はこの「ドイツ人の歌」の第二節と三節を演奏禁止にし、第一節をハイドンの旋律で歌わせ、続けてナチ突撃隊戦闘歌「ホルスト・ヴェッセルの歌」(*9)(全三節)を公式に歌わせたのです。

 ♫~ 「ドイツ人の歌」 第一節より ~♫
   (※旋律は讃美歌と同じくハイドン作曲)
  ドイツよ、ドイツよ、すべてのものの上にあれ
  この世のすべてのものの上にあれ
《以下省略》
 ♫~ 「ホルスト・ヴェッセルの歌」 第三節のみ抜粋 ~♫
   (※旋律はコルネリウス作曲で、ハイドンではない)
  突撃ラッパの聲響かん!
  我等、皆、闘争に備えたり
  間もなくヒトラーの旗は全ての街路に翻らん
  屈辱の歴史は今や醒めたり
 ~♫

ナチスドイツ敗北までの12年間、凄惨な嵐が荒れ狂う中、2022年1月の集会『善き力にわれかこまれ』(*10)でお話ししたボンフェッファーや『嵐の中の教会』の信徒たちは戦い抜いたのです。
また、ナチスドイツと戦ったイギリスでは、同じ旋律でこの讃美歌「Glorious Things of Thee are Spoken」が歌われていました。なんという歴史の皮肉でしょうか。

ハイドンには何の非もありませんが、これらの曲はナチス敗戦後連合軍により演奏禁止・処罰の対象となりました。その後紆余曲折を経て1990年にようやく第三節のみが法により保護されましたが、国歌に関する正規の法律は未だに策定されていません(*11)。

私たちキリスト者は、神の摂理(*12)を信じていますが、現実の世界だけを見ていると実感が湧いてきません。ですが、歴史は雄弁に証ししています。

「人はみな草のよう。その栄えはみな草の花のようだ。草はしおれ、花は散る。しかし、主のことばは永遠に立つ」 (Ⅰペテロ1:24-25)

そして、これまで真実であったように、終わりの日に至っても永遠に真実です。
ここに神の栄光があり、私たちキリスト者の誉れがあります。

*8 「ドイツ人の歌」
 解説 https://anthem.cool-navi.info/europe/germany.html
 動画 https://www.youtube.com/watch?v=p2t_Ks0x0G8
  【注意】 動画タイトル「ドイツ連邦共和国国歌ドイツの歌」は不適切です。
*9 「旗を高く掲げよ」(ホルストヴェッセルの歌、ナチス国歌)
 解説 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%97%E3%82%92%E9%AB%98%E3%81%8F%E6%8E%B2%E3%81%92%E3%82%88
 動画 https://www.dailymotion.com/video/x5o0b22
  【注意】 1934年頃のナチスの示威行進やヒトラーの肖像が入っています。
*10 参照 : 岡本先生と共に味わう讃美の力(6)「善き力に囲まれて Von guten Mächten」
   https://www.jesusgivesyourest.com/message/detail.php?id=282
*11 ドイツ連邦共和国大使館・総領事館公式文書 「ドイツ連邦共和国国歌」
  https://japan.diplo.de/ja-ja/themen/willkommen/hymne/981158
*12 摂理 : 神が、創造された世界をご計画に従って今も支配し、私たちを救いの完成へと導いておられる働きのこと。


■_第四章 讃美歌最終節 ~我が身は 栄えある国の民なり_■

讃美歌に戻ります。
最終節は私たちキリスト者の栄光と誉れを歌います。
  Savior, if (*13) of Zion's city,
  I through grace a member am,
   *13 since と歌う歌詞もあります
「救い主よ、我、恵みにより神の都の民なれば」 と歌い出し、
  Solid joys and lasting treasure
  None but Zion's children know.
「堅き喜び永久の宝 我ら御国の子は知る!」 と歌い締めくくります。

私たちキリスト者の栄光と誉れは、
「神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いを通して、価なしに義と認められ」 (ローマ3:24)たことにあります。主イエスの十字架こそ、主が聖なる山に据えて下さった礎(いしずえ)です。

 _†_ (Ⅰコリント1:18)
1:18 十字架のことばは、滅びる者たちには愚かであっても、救われる私たちには神の力です。

 _†_ (ガラテヤ6:14)
6:14 …私たちの主イエス・キリストの十字架以外に誇りとするものが、決してあってはなりません。この十字架につけられて、世は私に対して死に、私も世に対して死にました。
 _†_†_†_

ここでの〈死ぬ〉とは、関わりが無くなること、もはや影響も支配もされないことです。この喜びを日本語訳讃美歌194番も聖歌199番も見事に歌い上げています。

 ♪~ 最終節 [讃3/聖4/E5]
讃3.(E5)
 みめぐみうけつつ 生くるみ民は
 はかなき楽しみ  むなしき富に
 ほこれるよびとの あざみにあえど
 こよなきよろこび つゆみかわらじ

聖4 .(E5)
 朽ちざる命を 持つ我知らで
 世人は我が身を 愚かと嗤(わら)う
 消え去れ 地の富 名誉 楽しみ
 我が身は 栄えある国の民なり
 ~♪

我が身は 栄えある国の民なり!
アーメン

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2023年 メッセージ一覧

岡本牧師と共に味わう讃美の力 (第28回) 「羊は眠れり」Sheep Fast Asleep~シンシナティ日本語教会主催

日本時間12月22日(金)午前10時~11時、アメリカ東部時間12月21日(木)午後8時~9時、「岡本牧師と共に味わう讃美の力」集会をオンラインで開催しました。

岡本牧師と共に味わう讃美の力 (第27回) 「キリストにはかえられません」I'd rather have Jesus~シンシナティ日本語教会主催

日本時間11月17日(金)午前10時~11時、アメリカ東部時間11月16日(木)午後8時~9時、「岡本牧師と共に味わう讃美の力」集会をオンラインで開催しました。

岡本牧師と共に味わう讃美の力 (第26回) 「父の神の真実」、Great is Thy Faithfulness ~シンシナティ日本語教会主催

 ~ ♪ ~ 父の神の真実は とこしえまで変わらず慈しみと憐れみは 尽きることがありません素晴らしい主 その真実は 朝ごとに新しく深い恵み知らされて 讃美します 主の御名 ~ ♪ ~ 歌い始めると、私たちは深い慰め、平安に包み込まれる、そういった不思議な魅力ある讃美歌です。

岡本牧師と共に味わう讃美の力(第25回)「心を高く上げよう」Lift Up Your Hearts (Sursum Corda)~シンシナティ日本語教会主催

歌声が聞こえます。 ~ ♪ ~ こころを高くあげよう主のみ声にしたがい、ただ主のみを見あげて、こころを高くあげよう。霧のようなうれいも、やみのような恐れも、みなうしろに投げすて、こころを高くあげよう。 ~ ♪ ~ 今あなたが、どのような状況にあろうとも、「こころを高くあげよう」、「(神様から力をいただいて)元気を出そう」と。

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今回取り上げた讃美歌「ナルドの壺ならねど」(原曲名:Love's Offering)は、エドウィン・パーカー(Edwin Parker, 1836-1925)により作詞・作曲され、広く愛唱されている讃美歌です。この歌詞の背景には、主イエスが十字架にお掛かりになる直前、ある女性が高価なナルドの香油が入った壺を割って主イエスに注いだ出来事があります。そしてこの歌詞は、私たちを主イエスへの信仰、家族や友人への愛と寄り添いについて深い黙想へと導いてくれます。

岡本先生と共に味わう讃美の力(23)「さかえにみちたる」 Glorious Things of Thee are Spoken~シンシナティ日本語教会主催

讃美歌の作詞者は、あの「アメイジング・グレイス」の作者ジョン・ニュートンです。旋律には、ハイドン作曲の荘厳で格調高い旋律(弦楽四重奏曲第77番「皇帝」の第2楽章としても知られる)が使われ、1802年に英国で出版されたことから広く愛唱されるようになりました。また、この旋律は旧オーストリア帝国と旧ドイツ帝国の国歌、そして現ドイツの“国歌”でもあります。つまり、同じ旋律が「神(の国)」と「地上の国家(権力)」を頌えたのです。このことは奇しくも「人はみな草のよう。その栄えはみな草の花のようだ。草はしおれ、花は散る。しかし、主のことばは永遠に立つ」 (Ⅰペテロ1:24-25)ことを証しする結果になりました。

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岡本先生と共に味わう讃美の力(20) ~ 讃美歌第二編26番 「小さなかごに花を入れ」(Little Deeds)~シンシナティ日本語教会

日本時間4月21日(金)午前9時~10時、アメリカ東部時間4月20日(木)午後8時~9時、「岡本牧師と共に味わう讃美の力」集会をオンラインで開催しました。

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2023年2月、厳寒の北海道を凡そ半世紀ぶりに再訪して、何人も抗えない圧倒的な「雪の白さ」の厳しい現実を体験してきました。学生時代から、「雪の白さ」を歌う合唱曲と讃美歌に親しんで来た私ですが、今回の旅行中の「大自然への畏怖の念」と共に込み上げてきた「私たちを『雪よりも白く』する圧倒的な救い御業への讃美」を皆さまにお伝えしたいと願う様になりました。そこで今回は、「雪の白さ」を希求する讃美歌521番の歌詞を手掛かりに聖書を探訪し、〈私たちの罪は雪よりも白くされる〉ことの確かさをお話しいたします。

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この讃美歌「主よみもとに近づかん)」は、1997年に公開され日本でも大ヒットした映画「タイタニック」でも演奏されました。沈みゆく船上で、乗客たちを落ち着かせようと演奏を続けていた弦楽四重奏団が、自分たちの死をも覚悟しつつ最後に演奏し、死を目前にした人を、神への信頼、天国への希望へと導く内容でした。今回は、この讃美歌が持つ力を味わいつつ、讃美歌を生み出す元になった聖書箇所(創世記28章10-22節)の中心的メッセージにも聞き、救いの喜びを分かち合いましょう。なお、事前配付資料(PW不要)及びYouTube動画へのリンク(PW要)を本文末尾に掲載してあります。