多くのプロテスタント教会が信仰教育に用いてきた書物に、ウェストミンスター小教理問答があります。宗教改革の激動期を経て、17世紀英国で完成されました。冒頭、次の様にあります。
問1 人のおもな目的は何であるか。
答 人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことである。
人の主なる目的を問うことをもって始められています。人が存在する、人は何のために存在するのか、一体何が人の存在目的であるのか、と。二義的な目的ではなく、主な、すなわち最も根源的な目的が問われているのです。
学生は学問を、商人は商売を目的として励みます。しかし彼らは学生や商人である前に人です。病める人々は回復を目的としますが、治癒後の生きる目的が無ければ、“回復”も喜びに繋がりません。また、若い者にも老いたる者にも、男にも女にも、夫にも妻にも親にも子にも、それぞれの立場で働きや使命があり、その目的も多様ですが、絶えず変化に曝されます。ひとり一人が人間として生きる限り、何の為に生きているかという最も根源的な答えがどこかにあるはずです。人間を創造された神の言葉である聖書にこそ、その答えがあるはずです。小教理問答は、聖書の答えはこれだ!神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことだ、これこそが人の主な目的だと、その信仰を告白しています。
私たちの教会でも、これからしばらく折に触れ「春名寿章 『小教理問答講解』 聖恵授産所、1977年」を用いて聖書信仰の神髄を学びながら、御言葉による魂の養いに与ります。