月報 2016年1月号 「 待ち望む 」

月報 2016年1月号 「 待ち望む 」

わたしたちは、この望みによって救われているのである…わたしたちは忍耐して、それを待ち望むのである。日本聖書協会『口語訳聖書』ローマ人への手紙 8章24・25節(抜粋)

日本の正月の風習に、最近では廃(すた)れつつあるように感じますが、門松を飾ることがあります。「松」は古来から、神々が降り来るのを「待つ」木とされ、正月の門松は、歳(とし)神(がみ)や神々が到来するのを喜んで待つということらしいのです。

ところが、この待つことが苦手なのが現代人の特徴のようです。券売機やレジでモタつく人を心の中で罵(ののし)り、もたつく車列の中や医院の待合でイライラし、レストランで注文した物が遅いと文句を言い...いつの間にか待つことのできない人間になっているようです。また、育児中の親たちの中には、子どもの成長をじっと待つことができず、子どもたちに対する虐(ぎやく)待(たい)や折(せつ)檻(かん)が深刻化しています。世界では、公平・平和を忍耐強く待ちきれず過激な行動に走ったり、諦めて現実逃避したり自分だけを守ろうともします。待つことができないのには様々な理由があり、そう簡単に説明することは出来ないでしょう。

有名な、いのちの詩人とも称される相田みつをさんの詩に、「待ってもむだなことがある。待ってもだめなこともある。待ってむなしきことばかり。それでもわたしはじっと待つ」という詩があります。また、御子イエス・キリストを私たちの世に遣わして下さった神は、御業を待ち望む私たちを心に掛けて、こう奨励されます。
「この幻はなお定められたときを待ち、終りをさして急いでいる。それは偽りではない。もしおそければ待っておれ。それは必ず臨む。滞りはしない。」(ハバクク2章3節) 「だから、兄弟たちよ。主の来臨の時まで耐え忍びなさい。見よ、農夫は、地の尊い実りを、前の雨と後の雨とがあるまで、耐え忍んで待っている。」(ヤコブ5章7節) 私たちは、この神の約束を忍耐して待ち望みつつ、共に御国に向かって前進して行きましょう。

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2016年 メッセージ一覧

月報 2016年12月号 「 クリスマスの買い物 」

クリスマスが近づくと、私たちはクリスマスに備えて色々な買い物をしますが、クリスマスの主人公イエス・キリストが勧める買い物をご紹介しましょう。その買い物リストが、標記の「ヨハネの黙示録3章18節」です。そ…

月報 2016年11月号 「人のおもな目的 」

多くのプロテスタント教会が信仰教育に用いてきた書物に、ウェストミンスター小教理問答があります。宗教改革の激動期を経て、17世紀英国で完成されました。冒頭、次の様にあります。  問1 人のおもな目的は何で…

月報 2016年10月号 「 収穫(実り) 」

今年も実りの秋がやって来ました。タイトルの「収穫(実り)」という言葉は、新約聖書だけでも何十回も使われ、讃美歌にも「収穫感謝」という区分があります(422~425番)。ところでこの時期になると、ハロウィンが賑…

月報 2016年9月号 「 聖書を読もう 」

みなさまが聖書を読もうとする時、どのような気持ちで聖書を開かれますか。是非とも、神がこの私に語りかけて下ること期待して向き会ってみて下さい。ただ、その時に、聖書には聖書に相応しい読み方があります。ま…

月報 2016年8月号 「 快(こころよ)い聖書の読み方 」

家内から聞いた話ですが、ある介護施設では『水戸黄門』のビデオが特に好まれ、高齢の方々が食い入る様に観ておられるとのこと。ある研究者によれば、人気がある長寿番組には二つの特徴があるそうです。ひとつは、…

月報 2016年7月号  「 暑い! 」

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月報 2016年6月号  「食べられるって、しあわせ」

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月報 2016年5月号 「ペンテコステに響いた音」

つい先日、修理に出していた教会のリードオルガンが仕上がって戻ってきました。パイプ・オルガン制作者として知られる辻宏さんが著書『風の歌』で次の様に書いておられます。「美しい音というのは、その音自身に魅…

月報 2016年4月号  「人と共に泣くということ」

「ああ、それならわたしは知っていました。先生が最初にお見えになったあの五月の太陽の輝く朝、涙ながらにわたしをしっかり抱いてくださった、あれがそれでしょう。」 三重の障がいを負った少女ヘレン・ケラーに、…

月報 2016年3月号 「 何を聞き、何を思うか 」

今、アメリカでは大統領選の候補者指名争いが繰り広げられ、舌戦の凄まじさには圧倒されます。この様な時こそ、古代中国の哲学者老子が言ったとされる「真理は沈黙している」(語ることが出来るものは真理ではない)…

月報 2016年2月号 「 人が集まるのは、集まることで互いに癒(いや)しあえるから 」

最近私が読んだ『失われた物語を求めて』(レイチェル・ナオミ・リーメン著)に次の様にありました。「人が集まるのは、集まることで互いに癒(いや)しあえるからだ。人は、話を聞いてもらうことで癒(いや)され、人の…

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