月報 2016年8月号 「 快(こころよ)い聖書の読み方 」

月報 2016年8月号 「 快(こころよ)い聖書の読み方 」

希望は失望に終ることはない。なぜなら、わたしたちに賜わっている聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからである。日本聖書協会『口語訳聖書』ローマ人への手紙 5章5節

家内から聞いた話ですが、ある介護施設では『水戸黄門』のビデオが特に好まれ、高齢の方々が食い入る様に観ておられるとのこと。
ある研究者によれば、人気がある長寿番組には二つの特徴があるそうです。ひとつは、「主人公の生き方に共感できること」。もう一つは、「話の展開や結論が快(こころよ)いこと」だそうです。
確かに『水戸黄門』はこの二つの特徴を持っています。全国を行脚する主人公が、各地で起きている悪事を看破し、最後に悪人たちを懲らしめ虐げられた人々に報いる、というものです。単純で同じ筋書、結論も決まっているのに、飽きられることなく繰り返し観続けられます。むしろ単純で同じ筋書きだからこそ人気があるのだそうです。この話はどうなるのかと心配して観ていると体にこたえる。だが、『水戸黄門』は観ていて安心できる。しかも、ドラマに登場する虐げられた人々が報われるように、自分もいつか報われる、と言う希望にもつながっているのではないか、とも言われます。

さて、本題に入りましょう。聖書は、2012年末の時点で2,551もの言語に翻訳された世界一長寿のベストセラーです。( http://www.bible.or.jp/soc/soc15.html ) 聖書には、「この言に命があった。そしてこの命は人の光であった」(ヨハネ1:4)、「人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである」(マタイ4:4)とあります。その通り、聖書に記された神の言葉には人を生かす力があります。

その聖書の「快(こころよ)い」読み方についてお話ししたいのです。聖書を快く読むとは如何(いかが)なもとかとのお叱りを受けるかも知れません。しかし、聖書全体の筋道と結論に注目すれば、聖書は、唯一無二の「話の展開や結論が快い」書物です。それはこうです。『愛なる神は、私たちを死と滅びから解放し救う為に、約束通り救い主・御子イエス・キリストを世に遣わされた。だが、人々はイエスを受け入れず十字架につけた。全く報われなかったかのようであったが、父なる神は御子を復活させ天に昇らせ、勝利と栄光を与えられた』 事実が記され、さらに『そのイエスは、終わりの日にこの世に再び来られ、神の義をもって裁き、私たちの信仰と忍耐に報いて下さる』との約束も記されているからです。聖書の言葉は、「いのちの水」となって私たちの魂の渇きを潤してくれます。

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月報 2016年9月号 「 聖書を読もう 」

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