月報 2016年2月号 「 人が集まるのは、集まることで互いに癒(いや)しあえるから 」

月報 2016年2月号 「 人が集まるのは、集まることで互いに癒(いや)しあえるから 」

「神は、いかなる患難の中にいる時でもわたしたちを慰めて下さり、また、わたしたち自身も、神に慰めていただくその慰めをもって、あらゆる患難の中にある人々を慰めることができるようにして下さるのである。」日本聖書協会『口語訳聖書』コリント人への第二の手紙 1章4節

最近私が読んだ『失われた物語を求めて』(レイチェル・ナオミ・リーメン著)に次の様にありました。「人が集まるのは、集まることで互いに癒(いや)しあえるからだ。人は、話を聞いてもらうことで癒(いや)され、人の話を聞くことで苦しんでいるのは自分だけではないのだと知って癒(いや)される」。このことは、私たち教会員にとっても、様々な事情で孤立している人々にとっても“真実”です。

また、『愛するということ、愛されるということ』(レオ・バスカリア著)には、主にある交わりの素晴らしさ、祈れることの恵みを思い起こさせる詩が紹介されていました。
私の話を聞いて下さいと頼むと あなたは助言を始めます
私はそんなことを望んではいないのです
私の話を聞いて下さいと頼むと あなたはその理由について話し始めます
申し訳ないと思いつつ 私は不愉快になってしまいます
私の話を聞いて下さいと頼むと あなたは何とかして私の悩みを解決しようとします
おかしなことにそれは私の気持ちに反するのです
祈ることに慰めを見出す人がいるのは そのためでしょうか
神は無言だからです 助言したり調整しようとはしません
神は聞くだけで 悩みの解決は自分に任せてくれます
だからあなたも どうか黙って私の話を聞いて下さい
話をしたかったら 私が話し終わるまで 少しだけ待ってください
そうすれば私は 必ずあなたの話に耳を傾けます

確かに私たちは、苦しいこと、悲しいこと、迷っていることなどをただ聞いてもらうだけでも、癒(いや)されたり、気持ちの整理ができたり、もう一度頑張ってみようかと考えることができるようになります。これが信徒の交わりの素晴らしさです。そして、私たちが祈る時にじっと耳を傾けて下さる「神は、いかなる患難の中にいる時でもわたしたちを慰めて下さり」ます。

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2016年 メッセージ一覧

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月報 2016年11月号 「人のおもな目的 」

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月報 2016年10月号 「 収穫(実り) 」

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月報 2016年9月号 「 聖書を読もう 」

みなさまが聖書を読もうとする時、どのような気持ちで聖書を開かれますか。是非とも、神がこの私に語りかけて下ること期待して向き会ってみて下さい。ただ、その時に、聖書には聖書に相応しい読み方があります。ま…

月報 2016年8月号 「 快(こころよ)い聖書の読み方 」

家内から聞いた話ですが、ある介護施設では『水戸黄門』のビデオが特に好まれ、高齢の方々が食い入る様に観ておられるとのこと。ある研究者によれば、人気がある長寿番組には二つの特徴があるそうです。ひとつは、…

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月報 2016年4月号  「人と共に泣くということ」

「ああ、それならわたしは知っていました。先生が最初にお見えになったあの五月の太陽の輝く朝、涙ながらにわたしをしっかり抱いてくださった、あれがそれでしょう。」 三重の障がいを負った少女ヘレン・ケラーに、…

月報 2016年3月号 「 何を聞き、何を思うか 」

今、アメリカでは大統領選の候補者指名争いが繰り広げられ、舌戦の凄まじさには圧倒されます。この様な時こそ、古代中国の哲学者老子が言ったとされる「真理は沈黙している」(語ることが出来るものは真理ではない)…

月報 2016年2月号 「 人が集まるのは、集まることで互いに癒(いや)しあえるから 」

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月報 2016年1月号 「 待ち望む 」

日本の正月の風習に、最近では廃(すた)れつつあるように感じますが、門松を飾ることがあります。「松」は古来から、神々が降り来るのを「待つ」木とされ、正月の門松は、歳(とし)神(がみ)や神々が到来するのを喜ん…