月報 2019年8月号 「 破れ口」は塞(ふさ)がれた

月報 2019年8月号 「 破れ口」は塞(ふさ)がれた

破れ口で主のみ前に立ち、み怒りを引きかえして、滅びを免れさせた。日本聖書協会『口語訳聖書』詩編 106篇23節

  7月21日の説教で、標記の詩篇を引用しながら「いつの時代も『彼は他人を救った。もし彼が神のキリスト、選ばれた者であるなら、自分自身を救うがよい』(ルカ23:35)と嘲る。しかし主イエスは私たちを救う為に御自身を犠牲にされたのです」とお話ししました。

  「破れ口」とは、直接的には城攻め等による城壁の損傷箇所のことで、一度「破れ口」が出来ると、敵の攻撃はそこに集中します。聖書で言う「破れ口」とは、人の罪、人が罪に支配された状態を指します。その「破れ口」が出来たのは、創世記の冒頭人類の祖アダムとエバがサタンの誘惑に負け、自らの意思で罪の支配に陥った時です。

  その「破れ口」すなわち弱みをサタンは攻めてきます。そのサタンとは「…われらの兄弟らを訴える者、夜昼われらの神のみまえで彼らを訴える者…」(黙示録12:10)、すなわち告訴人です。
 「律法なしに罪を犯した者はみな、律法なしに滅び、律法の下にあって罪を犯した者はみな、律法によってさばかれます」(ローマ2:12)、「罪の報酬は死です」(ローマ6:23)とあると聖書に書かれているのだから「罪ある彼らは裁かれるべきだ」と私たち罪人を訴え続けます。
 従って、私たちが滅びを免れる為には、私たちの「破れ口」を塞(ふさ)ぎ修復してサタンの攻撃を封じるしかないのです。しかし衣類の染み取りやほつれを繕(つくろ)うような具合にはいきません。

  イエスは「見よ、世の罪を取り除く神の子羊」(ヨハネ1:29)です、罪無き神の御子が私たちの罪を身代わりに負って裁かれたことで私たちの「破れ口」は塞(ふさ)がれ無くなったのです。サタンが訴える口実が無くなったのです。この世界の法律でも、罪を償った人は同じ罪で二度裁かれることはありません。死刑囚であっても死刑執行後息を吹き返せば無罪放免です。人の心はそう単純ではありませんが。

  神は、イエスによって私たちの「破れ口」を塞(ふさ)いで下さりました。それだけではありません。イエスをよみがえらせたことでサタンに完全勝利され、イエスを救い主として受け入れる私たちをも、終わりの日の完全勝利のうちに天の御国によみがえらせて下さいます。
thumbnail.php?id=234_6.jpg

添付ファイル (パスワード不要)

本記事にパスワード不要の添付ファイルはありません

添付ファイル (要パスワード)

本記事に要パスワードの添付ファイルはありません

2019年 メッセージ一覧

月報 2019年12月号 「 クリスマスという、神の時間厳守 」

クリスマスについて「きょう」と言われてます。聖書の「きょう...」という言葉は、昨日、今日、明日と言った日常的な時間の流れを超越した特別な日、すなわち神が予め定めておられた、予定されていた「その日」、…

月報 2019年11月号 「 永遠への思慕(しぼ)」

 聖書は私たち人間についてこう言います、「…あすのこともわからぬ身なのだ。あなたがたのいのちは、どんなものであるか。あなたがたは、しばしの間あらわれて、たちまち消え行く霧にすぎない」(ヤコブ4:14)と。そ…

月報 2019年10月号 「 詩篇を通して主イエスにまみえる」

 主イエスはこう言われました、「 わたしが以前あなたがたと一緒にいた時分に話して聞かせた言葉は、こうであった。すなわち、モーセの律法と預言書と詩篇とに、わたしについて書いてあることは、必ずことごとく成…

月報 2019年9月号 「 老いの坂は上るもの 」

 9月16日は敬老の日です。老年に入る年頃を「初老」と言い、四十歳からだそうです。平均寿命が延びた現代はもっと遅くても良いでしょう。この初老を境に、それまでグングン人生を上り詰めてきた人でも、その後は老…

月報 2019年8月号 「 破れ口」は塞(ふさ)がれた

  7月21日の説教で、標記の詩篇を引用しながら「いつの時代も『彼は他人を救った。もし彼が神のキリスト、選ばれた者であるなら、自分自身を救うがよい』(ルカ23:35)と嘲る。しかし主イエスは私たちを救う為に御自…

月報 2019年7月号 「 悲しいことを話していいですか? 」

 痛ましい事件が頻発する昨今です。しかし、たいていは私たちにとって“遠いところの出来事”なので、当事者の方々に思いを馳せることがほとんどありません。 ところで、先月六月中旬、以前から親しくしている素敵…

月報 2019年6月号 「 相談相手 」

 誰の言葉を聞くか、誰を相談相手とするか。これは人生を左右します。そこで今、自分に問うてみましょう、「一体、わたしは誰の言葉を聞き、誰の言葉に従っているのだろうか」と。  聖書に記された歴史は、相談…

月報 2019年5月号 「生れ変って歩き出すよ ♪」  ~中島みゆき「時代 」

 中島みゆきさんの歌詞には、聖書の言葉を連想させるものが少なくありません。「時代」もそうです。この作品が1975年に発表されてから凡そ45年が経ちました。いわば古い曲ですが、昭和と平成の時代を生きた人々ば…

月報 2019年4月号 「 生きることを諦めないで! 」

 元気なうちは、生きていることは当たり前のことで気にもとめません。しかし、死が近づいてくるのを感じると、元気で生きていることの有り難みを痛感するようになります。 私事で恐縮ですが、94歳になったばかり…

月報 2019年3月号 「 寄り添う人、寄り添われる人 」

 教会学校の子どもたちにも良く知られたザアカイは、突然主イエスの訪問を受けた人々の一人です。ザアカイは主イエスと一緒にどんなひとときを過ごしたのかは聖書に書かれていませんが、彼の喜び様は並大抵でなか…

月報 2019年2月号 「 すべての人に臨むところは、みな同様なのか ?! 」

伝道の書は、虚無的な言葉を多用ながら人生の目的・生きる意味を問いつつ、間接的に神の存在とその神に対する信仰の必要を説いています。この聖書箇所は、“一寸先すらも分らぬ人間だが一つ確かなことがある。それは…