岡本先生と共に味わう讃美の力(9) 讃美歌150番「悪魔のしばし誇りし勝利は ~Christ the Lord Is Risen Again」(シンシナティ日本語教会)

岡本先生と共に味わう讃美の力(9) 讃美歌150番「悪魔のしばし誇りし勝利は ~Christ the Lord Is Risen Again」(シンシナティ日本語教会)

また、御座から声が出て、こう言った。「神のすべてのしもべたちよ、神を恐れる者たちよ、小さい者も大きい者も私たちの神を賛美せよ。」/また私は、大群衆の声のような、大水のとどろきのような、激しい雷鳴のようなものがこう言うのを聞いた。「ハレルヤ。私たちの神である主、全能者が王となられた。/私たちは喜び楽しみ、神をほめたたえよう。子羊の婚礼の時が来て、花嫁は用意ができたのだから。日本聖書協会『口語訳聖書』ヨハネの黙示録 19章5-7節


今回は、まず資料1から、讃美歌150番の日本語歌詞で意味が判りにくいところを簡単に説明致します。なお、資料2の「原歌詞の生い立ち」は今回説明を省かせていただきます。
次に、資料3【改訂1】を手引きとして使い、「ハレルヤ」と呼ばわる声を聖書に探求してまいります。
その後、資料1に戻り、 聖書・原歌詞との関係で讃美歌150番を振り返り、最後に短く奨励させていただきます。なお日本語訳聖書は新改訳2017を使っています。

■ 1.讃美歌150番の意味が判りにくい箇所の説明
 ~資料1によります
[1節]
あくまのしばし ほこりしかちは 今しももろく ついえけるかな ハレルヤ
【意味】 「悪魔が少しの間 自慢した勝利は 今、もろくも 敗北となり駄目になった」

ゲッセマネで主イエスを捕らえ、正義を捻じ曲げ、十字架に付けた人々の怒号歓声と、墓からイエスがいなくなったことを知った人々の慌てふためきようが思い浮かんできます。

[3節]
めぐみとさかえ みいつにみてる イェスの御顔ぞ げにうるわしき ハレルヤ
【意味】 「みいつ」とは「自然の成り行きとして人を畏れさせ従わせる神の力・勢い」

[4節]
ひとやのなかに つながれおりし アダムの子らは 解きはなたれぬ ハレルヤ
【意味】 「人牢の中に繋がれていた人間は 拘束を解かれて自由にされた」


■ 2.「ハレルヤ」と呼ばわる声を訪ねて
 ~資料3【改訂1】によります。


■ 3.聖書・原歌詞との関係で讃美歌150番を振り返る
 ~再び資料1を参照します。
[1節]
 あくまのしばし(少しの間) ほこりしかちは
 今しももろく ついえけるかな ハレルヤ

黙示録19章、主イエスの完全勝利と救いの完成を、見事なまでの簡明さで歌いあげています。

[2節]
 かがやきのぼる あさ日のごとく
 よみにうちかち 主はいきたもう ハレルヤ

英語歌詞にはありませんが、
 詩篇112:4 直ぐな人たちのために光は闇の中に輝き昇る。主は情け深くあわれみ深く正しくあられる。

を「ハレルヤ」と歌っています。

[3節]
 めぐみとさかえ みいつ(神の威光)にみてる
 イェスの御顔ぞ げにうるわしき ハレルヤ

詩篇で「ハレルヤ」とたたえられた神の御性質と御業と
主イエスの御生涯(における奇跡)と宣教 ..
を総括して
「めぐみとさかえ みいつ(神の威光)にみてる イェスの御顔ぞ げにうるわしき」
と主イエスを「ハレルヤ」

[4節、5節]
 ひとや(人牢)のなかに つながれおりし
 アダムの子らは 解きはなたれぬ ハレルヤ
 世界のたみよ あまつつかいに
 こえをあわせて よろこびうたえ ハレルヤ

4、5節では、
・死の支配からの解放と、「ハレルヤ」コーラスへの招き
・先ほどお話したことの繰り返しになりますが、詩篇117編と、また原歌詞の6節 「Now He bids us tell abroad」、「広いところへ出て行って御言葉を述べ伝えよ」、が歌われます。
私たちの宣教は、私たちの家族や友人をサタンの支配から解放する神の御業でもあります。


■ 4.結びの奨励
使徒パウロは
コロサイ3:1 あなたがたはキリストとともによみがえらされたのなら、上にあるものを求めなさい

とすすめてます。「よみがえらされたのなら」は「よみがえらされたのだから」(口語訳)と訳す方が誤解が無いでしょう。
しかし、私たちは「よみがえらされた」などと言われてもピンとこないのでは。主イエスが再臨して下さるその日までは(肉体の)死は厳然として私たちを支配していますので。

でも、御言葉は真実です。
聖書は「あなたがたはよみがえらされた」と宣言しています。
聖書は、わざわざ「よみがえらされた」と、所謂“過去形”(アオリスト)と受け身で語ることに注意が必要です。

よみがえりというのは、私の体に何か変化が起きたからではありません。
私たちは、あなたは、信仰によって主イエスに繋がれ新しいいのちに生きる者と既にされており、キリストのよみがえりの出来事が私にも起こるようにされています。
聖書が証する主イエスのよみがえりの事実は、私たちを目に見える現実や自分の経験・知識から解放します。

主イエスをこの世に遣わし、あなたに新しいいのちを与えてくださった神を仰ぎ、
私たちも高らかに「ハレルヤ!」と賛美しましょう。


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2022年 メッセージ一覧

クリスマスイブ 夕拝 「何が見えていますか」 ~♪ きよしこの夜 (シンシナティ日本語教会)

米国東部時間で12月24日(土) 6:00 PMから、日本時間12月25日(日) 8:00AMから開催の 「クリスマスイブ 夕拝」では、ルカ2章8-20節と「きよしこの夜」(讃美歌109番)を取り上げてメッセージをお送りしました。配付資料は本文書の末尾に添付しております。

岡本先生と共に味わう讃美の力(17) ~ 「久しく待ちにし」 O Come, O Come, Emmanuel (讃美歌94番) (シンシナティ日本語教会)

この讃美歌は、もっぱら待降節(アドベント)において中世から歌い継がれて来た古い讃美歌です。暗さの中に光を希求する厳か(おごそか)な旋律と和声、そして歌詞を持つことから、今ではこの歌を収録しない讃美歌集はほとんど無いほど世界中で親しまれています。今回は、この讃美歌にインスピレーションを与えた聖句を紐解きながら、クリスマスに向けた心の準備をして参りましょう。

岡本先生と共に味わう讃美の力(16) 聖歌480番「輝く日を仰ぐとき」How Great Thou Art

「岡本先生と共に味わう讃美の力 第16回」では、聖歌480番「輝く日を仰ぐとき」How Great Thou Art を取り上げました。

岡本先生と共に味わう讃美の力 (15) 讃美歌502番「いともかしこし」(I Love to Tell the Story ) ~シンシナティ日本語教会主催

日本時間10月21日(金)午前9時~10時、アメリカ東部時間10月20日(木)午後8時~9時では、讃美歌502番 「いともかしこし」(I Love to Tell the Story )を取り上げました。

岡本先生と共に味わう讃美の力 (14)讃美歌298番 「安かれわがこころよ」(フィンランディア)、 ~シンシナティ日本語教会主催

今回取り上げる讃美歌番298番 「安かれわがこころよ」(Be still, my soul)は、「Be still!、静まれ、やすかれ、わが心よ」、「あなたにどんな悲しみ苦しみがあろうとも神を信頼していなさい、主はあなたの友です味方です」と私たちを慰め励ましてくれます。

岡本先生と共に味わう讃美の力(13) ~ 讃美歌267番 「神は我がやぐら 」 (シンシナティ日本語教会)

愛唱歌として世界中で親しまれているM.ルター作詞作曲の讃美歌267番「神は我がやぐら 」の魅力のよって来るところを聖書に探求して参ります。なお日本語歌詞は、杉山好氏の訳(J.S.バッハ作曲 カンタータ第80番のCD解説書)を使います。

岡本先生と共に味わう讃美の力(12) ~ 聖歌428番 「尊き泉あり There is a fountain filled with blood 」 (シンシナティ日本語教会)

日本時間7月22日(金)午前9時~10時、アメリカ東部時間7月21日(木)午後8時~9時に、愛唱歌としてたくさんの方に親しまれている 「 尊き泉あり There is a fountain filled with blood 」を取り上げた「岡本牧師と共に味わう讃美の力」という集会が行われました。

岡本先生と共に味わう讃美の力(11) ~ 讃美歌494番 「わがゆく道いついかに In some way or other the Lord will provide」 (シンシナティ日本語教会)

日本時間で6月17日(金)午前9時~10時、アメリカ東部時間6月16日(木)午後8時~9時、「わがゆく道いついかに In some way or other the Lord will provide」 (讃美歌494番)を取り上げました。

岡本先生と共に味わう讃美の力(10) ~「丘に立てる荒削りの The Old Rugged Cross」(シンシナティ日本語教会)

thumbnail.php?id=288_1.jpg今回は、【1】 作詞作曲者ベナードの生い立ち【2】 讃美歌誕生の(歴史的)背景【3】 原歌詞に見る信仰告白【4】 私たちに約束された「冠」この順に、「丘に立てる荒削りの The Old Rugged…

岡本先生と共に味わう讃美の力(9) 讃美歌150番「悪魔のしばし誇りし勝利は ~Christ the Lord Is Risen Again」(シンシナティ日本語教会)

アメリカ東部時間4月14日(木)午後8時~9時、日本時間4月15日(金)午前9時~10時、イースターにふさわしい讃美歌150番「悪魔のしばし誇りし勝利は Christ the Lord Is Risen Again」を共に賛美し、歌詞の源になっている聖書箇所からのメッセージに聞き、分かち合いの時間を持ちました。当日のレジメ、参考資料、エッセイもここからダウンロードできます。

岡本先生と共に味わう讃美の力(8) 讃美歌136番「血潮したたる ~O Haupt voll Blut und Wunden」(シンシナティ日本語教会)

今日取り上げる讃美歌136番「血しおしたたる」は、イースター(復活祭)を控えた時期によく歌われ、多くの方々の愛唱賛美歌の一つになっています。今回は、1. プロローグ2. 「讃美歌136番の生い立ち」3. 「J.S.バッハ 『マタイ受難曲』に於ける聖句と讃美歌136番の原歌詞」この順序でお話しします。なお日本語訳聖書は新改訳2017を使います

岡本先生と共に味わう讃美の力(7)「われに来よと主は今 Jesus Is Tenderly Calling」(シンシナティ日本語教会) 

今回は多くの方の愛唱歌であります讃美歌517番「われに来よと主は今 Jesus Is Tenderly Calling」を取り上げて讃美歌を歌い、歌詞の源になっている聖書箇所からのメッセージとともに分かち合いの時間を持ちました。

岡本先生と共に味わう讃美の力(6)「善き力に囲まれて Von guten Mächten」(シンシナティ日本語教会)

ドイツ告白教会牧師ディートリッヒ・ボンヘッファーの詩による讃美歌 「善き力にわれ囲まれ」と聖書の御言葉が持つ恵みと力を共に味わい分かち合いましょう。